ものもらいとは
-
「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」という2種類の病気を一般に「ものもらい」と呼ばれています。
まぶたが赤く腫れる病気です。まぶたの周囲には脂や汗を分泌する部分に細菌が感染して、急性の炎症を起こしたものが「麦粒腫」です。
目に脂を分泌するマイボーム腺という部分が詰まり慢性の炎症を起こしたものが「霰粒腫」です。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)
まぶたのあぶらや汗の分泌腺や毛穴から細菌が入っておこる急性の化膿性炎症で、おもに黄色ブドウ球菌によっておこります。
汗を出す腺や、まつげの毛根に感染した場合を外麦粒腫、マイボーム腺感染を内麦粒腫と呼びます。
- 症状
初めはまぶたが赤く腫れ、痛みや痒みを伴う場合もあります。
炎症が強くなってくると、まばたきすると目が痛い、充血、腫れが強くなります。
化膿が進むと、腫れた部分が自然に破れて膿が出ることがあります。膿が出てしまえば、その後症状は回復に向かいます。
- 治療
抗菌剤の点眼薬や内服を使用します。
1日~3日ぐらいで痛みがひき、1週間くらいで腫れがとれてきます。
化膿が進んだ場合は 、必要に応じて、切開して膿をだすこともあります。
汚い手で目をこすったりしないよう注意が必要です。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)
まぶたのマイボーム腺の出口がつまって慢性的な炎症が起きて、肉芽腫という塊ができる病気です。
麦粒腫と異なり、細菌感染を伴わない無菌性の炎症です。
- 症状
まぶたの腫れや異物感があります。
通常は、痛みも赤みもなく眼瞼にコロコロとしたできもの(腫瘤)を触れます。
炎症を伴った場合は麦粒腫と似た症状が出ることがあり、これを急性霰粒腫と呼びます。
- 治療
化膿しているときは抗菌剤などの点眼薬や内服で炎症をおさえる必要があります。
痛みがなく、腫瘤が小さければ自然に吸収されることもあります。
大きい場合は、手術で摘出する必要があります。
長期間できものが消えない場合も摘出手術をする場合がありますが、手術は15分ほどです。
高齢者や何度も繰り返し同じ場所にできる方は悪性腫瘍との鑑別が必要であることもあり、注意が必要です。
- お化粧やコンタクトレンズ着用の注意
まぶた周辺が不衛生になると麦粒腫になりやすく、霰粒腫が細菌感染して悪化することもあります。
また、アイライン、マスカラ、ファンデーションのメイク落としが不完全で、化粧品が分泌腺の出口をふさいでしまうことがあります。
コンタクトレンズ装用の方も通常の方に比べるとものもらいになりやすいと言われております。
汗をかきやすい季節や抵抗力が低下する季節の変わり目に比較的多くみられます。
ものもらいができやすい方は、メイク落とし、洗顔をした後も蒸しタオルなどでまつげの根元まできれいにするとよいでしょう。
ものもらいができている間は、アイメイク、コンタクトレンズ装用を控えてください。